清潔な環境づくりのため、防カビ対策をワンストップで提供

微生物問題の原因を究明する
自前の研究所も併設

湿気が多い場所や、梅雨時にカビが発生して困った経験はないでしょうか。世界に存在するカビの種類は6万種以上といわれ、醤油やみそなどの醸造に欠かせない麹もカビの種類のひとつ。しかし、アレルギーを引き起こしたり、食品や木材などを腐らせる要因となる有害なものも数多く存在します。

こうした社会生活に有害なカビや微生物を分析し、クリーニング、防カビ対策を行っているのが、今回訪問する株式会社ファインテックです。

西武新宿線 下落合駅付近

ファインテックの社屋は、新宿や高田馬場からアクセスの良い、西武新宿線の下落合駅からすぐの場所にありました。付近には地元の人が憩う公園もあり、落ち着いた環境です。

会社のドアを開けると、まず最初に、壁一面に飾られた特許証や商標・意匠の登録証が目に飛び込んできます。これらは、ファインテックのこれまでの研究・技術開発のたまもの。2018年12月には、さらに新しい特許・商標を取得したそうです。

フィンテックの社内風景

スタッフのデスクが並ぶスペースの奥には、「環境微生物研究所」の扉がありました。関係者以外入ることができない部屋で、日々、微生物の試験や研究などが行われています。

社内に併設されている環境微生物研究所

防カビの施工を行う業者は数あれど、このような専門の研究所を備えた会社は希少であると語ったのは代表取締役の辻明信氏。まずは辻社長に、ファインテックの概要についてお話をお伺いました。

有名食品メーカーをはじめ、製薬会社、
官公庁、病院など幅広く手掛ける

ファインテックは2005年、住宅や工場などに発生するカビや細菌を防止する目的で、防カビ商品開発や塗装工事を開始しました。

代表取締役社長 辻明信氏

「カビは、湿度や気温、栄養など条件が合えばすぐに繁殖してしまいます。特に天井裏や空調設備の内部など、掃除が行き届かない部分は汚染がされやすい」と辻社長。エアコンなどの空調設備の中から汚染された空気が部屋に入り込むおそれがあるといいます。

「特に食べ物を作る工場は、製造レーンがある部屋をいくら清潔にしていたとしても、空調の吹き出し口からカビの胞子が落ちてしまう可能性もあります。食品会社の中には、これが原因で『買った商品にカビが生えた』と消費者からクレームを受けるところもあるのです」

こうしたカビのクレーム対策として、ファインテックは数々の食品会社に対してカビに関するコンサルティングを開始しました。確かな施工技術は評判を呼び、現在は食品会社をはじめ、感染症予防が重要な病院、医薬品メーカー、官公庁、自治体などで導入が進んでいます。

カビの調査を行う

そんなファインテックの強みは何なのでしょうか。

「自前の研究所を持っているため、汚染原因の検査から施工・メンテナンス・アフターフォローまでワンストップで提供できることです。施工は、抗菌・防カビに40年の実績を持つAF工法を採用。カビや微生物に対する専門的知識を持つ微生物制御技術者も在職しています」

こうした高い技術力や研究の成果に対する評価は高く、大手企業との共同開発も行っているファインテック。微生物問題は、日本だけでなく世界に共通していることから、海外への進出も視野に入れているそうです。

パンフレット

求めている人材については、「微生物や防カビに関する勉強は、後からでもいくらでもできるため、知識は必要ありません。それよりも、学びたい・知識を吸収したいという意欲や素直さを重視します」と辻社長。
未経験でもバリバリ頑張っている社員として、営業部の板垣志学さんを紹介してくれました。

海外への進出も視野に入れた
可能性ある会社に魅かれて入社

板垣さんがファインテックを知ったきっかけは、2018年2月に開催された、新宿区の中小企業が10社以上が参加した“新宿区U29 しごと図鑑 合同企業面談会”でした。ファインテックのブースを尋ねた板垣さんは、防カビ・微生物対策という側面から、食品の衛生管理に関わるという業務内容に興味を持ったと言います。

入社1年目 営業部 板垣志学さん

「食品にカビや異物が混入するというニュースが報道されることもありますが、それらを改善していく業種があることを知り驚きました。また以前、エアコンの設備管理をしていた経験もあるので、構造的にエアコンの内部にはカビが発生しやすく、除去してもすぐにカビが生えてしまうことは知っていたんです。ファインテックの防カビ対策は画期的だとすぐにわかりました」

ファインテックが取り組んでいる防カビ対策や空気の衛生管理を、日本だけでなく海外にも広めていきたいと考えている話を聞き魅力的だった板垣さんは話します。

「以前、東南アジアに行く機会があり、そこでの経験から、カビや衛生管理の問題は日本だけでなく海外にも共通していると感じました。社会貢献もできるし、将来性もあると、ピンとくるものがあったのです」

お問い合わせの対応

合同企業面談会のブースでの担当者との面談は10〜15分。そのわずかな時間で、ファインテックに入社したいという思いを固めた板垣さんは、翌月の3月に入社しました。
入社してすぐに研修がスタート。微生物に関する基礎知識がまったくなかった板垣さんが印象的だったのは、建物の建設現場だったと語ります。

「カビが発生する場所は、見える場所だけに限りません。天井裏や壁と壁の間、床下、柱など、建物の構造を知ることが大切。基礎工事のことから、段階を追って建物が建つ仕組みを確認することができました。研修期間は4〜5カ月。その後は先輩について、OJTで仕事を覚えていきました」

作業管理者として現場に入り
アフターフォローまでを担当

ファインテックの営業職の仕事の流れは、どの様になっているのでしょうか?。

「まず、カビに困っていると連絡をいただいたお客様のもとに出向き、その状況を確認します。カビが生えている場所、日当たりや温度、湿度 空気の流れなど、確認する項目は多いですね。そしてカビを採取し、社内の研究所で汚染源調査を行います。その結果をもとに、お客様に防カビ対策についての提案を行います」

エアコンの吹出口周辺のカビを採取

カビの特性は千差万別。同じ種類のカビでも、環境下によって生命力も変わってきます。複数の種類のカビが混在していることもあれば、薬剤に耐性を持つカビもあるそうです。そのカビによって、薬剤を使い分けなければなりません。オーダーメイドの防カビ対策といってもよさそうです。

一般的な施工を請け負う会社の営業職の場合、施工の工程は他の担当者にバトンタッチすることが多いのですが、ファインテックでは営業職でも現場に入り、現場で作業員や職人に指示を行う作業管理も行います。

「エアコンの設備管理の経験があるので、今は主にエアコンの防カビ対策を行っています。エアコンを分解し、洗浄、乾燥、殺菌、防カビコーティングした後、再び組み立てます。私は管理の仕事なので、職人さんの安全管理や品質管理を行っています」

お客様に防カビ対策を説明

板垣さんがそこで痛感したのは、コミュニケーションの重要性。予定を組んでいても、現場ではその通りに進まないことも多く、お客様や職人に対して臨機応変な対応が求められます。双方の間に立ち、スムーズに気持ちよく仕事をしてもらうにはどうしたらいいかを心がけているそうです。

仕事は施工をして終わりではありません。施工後にも菌の培養検査を行い、カビが定着していないかをチェック。こうした徹底したアフターフォローを行うことで、数年間、カビの発生を抑えることが可能になるのだそうです。

培養したカビを確認

「施工が終わってしばらくたった後に、お客様から『すごいね! 全然カビが生えてこない』と声をかけていただくこともあります。現場に行くことで、お客様から直接、声を聞くことができるのもうれしいですね」

自分が手掛けた防カビ対策が、食品の安全性の改善につながっていると実感できるとき、やりがいを感じると板垣さんは話します。

お客様の気持ちに寄り添う
納得できる説明を目指して

入社してから間もなく1年が経ちますが、板垣さんの今後の課題はどのような点でしょうか。

「まだまだカビに関する知識が足りないですね。また、防カビの薬剤に対する知識もしっかりと身に付けておきたい。本を読んだり、社内の微生物制御技術者に聞くなどして、コツコツ勉強を続けています」

本を読んで勉強

初めての営業の仕事に飛び込み約1年。「不安もある中、続けることができたのは、ファインテック独自の営業スタイルにも理由があるからかもしれません」と板垣さん。
営業はノルマがきついとか、足で稼ぐというイメージが強いですが、業務の性質上、そういった経験はまったくなかったそうです。

「カビに困っているお客様自身が調べて、弊社にお問い合わせをいただいたというケースがほとんど。その依頼を受けて、私がお客様のところに出向きます。施工技術の高さには自信がありますし、施工したら満足していただけるという自負もある。それだけに、お客様が納得する説明ができるようになりたいです」

そのために時間があるときには、先輩の営業に同行させてもらうようにしているそうです。先輩一人ひとり、営業トークやスタイルに違いがあり、発見の連続であると板垣さんは話します。同行して場数を踏むことで、お客様の気持ちに響く言葉や、お客様に伝わりやすい説明の方法などを学ぶことができるといいます。

先輩に教えてもらう

社内の雰囲気も、少人数だけに和やかでアットホームな雰囲気。板垣さんが年齢的に最も若いのだとか。

「防カビと聞くと、一見、地味なようですが、日本を飛び出し海外に発展する可能性もある業界です。ぜひ若い人たちも、仲間に加わってほしいですね」

食品衛生や清潔な環境を守る防カビ技術を、ワンストップで提供しているファインテック。もしかしたら、今日、あなたが口にした食品も、ファインテックの防カビ技術を採用している会社が製造したものかもしれません。生活に密着している分野だけに、しっかりとやりがいが感じられる仕事だと感じました。

ファインテックのロゴ