労働組合の活動支援を通じて働く人と組織を元気にする!

労働組合専門ならではの視点で
組合活動をバックアップ

東京メトロ丸の内線の西新宿駅からわずか30秒、JR新宿駅西口から歩いても10分ほどのところにある新宿アイランドタワー。その22階にオフィスを構えるのが、今回紹介する「j.union株式会社」。
「職場を明るく、仕事を楽しく、人を元気に」を合い言葉に、労働組合の活動を支援する会社です。

会社入口

労働組合の活動支援と聞いても、すぐにはピンとこないのではないでしょうか。
まずは、管理本部部長の佐々木 務さんに事業内容についてお話しを伺いました。

2019年で30周年を迎えたj.union。その取引先は、大手企業を中心に全国4,200社以上の労働組合。電機、自動車など各業界トップクラスの企業の名前が並びます。

管理本部部長 佐々木 務さん

労働組合というと、かつては、賃上げや待遇改善の要求を掲げてストライキを行ったり、経営側と対立するイメージばかりが強かったように思います。
しかし近年は、要求一辺倒から脱却する労働組合が増えているそうです。現場の問題点と会社がめざす方向をすり合わせつつ、従業員からボトムアップで経営に提言していく。労働組合がそのパイプ役を果たし、自分たちの力で自分たちの会社をよくしていこうという動きなのだとか。

「j.unionがめざすのも、まさにそうした労働組合活動を通じて、人と組織を元気にすること。そのために、各企業の労働組合役員が抱えている課題や悩みを聞き取り、課題解決に向けてアドバイスしていきます」

具体的には、従業員へのアンケート調査や意識調査、労働組合のリーダーの育成や分野別の教育支援、機関誌など印刷物の企画制作、ホームページ運営サービスやワークフローシステムなど、4つの柱でサービスを提供。それぞれのサービスのみの提供、あるいは複合的な企画で最適な活動支援策を提案するのだとか。

「その組合に必要なサービスはどれか、組合活動でどう展開していくのか、他の組合での事例はどうか。そういうアドバイスや提案を軸に進めます。特に組合のリーダー育成は、弊社ならではのコンテンツだと思います」

ちなみに、同様のサービスを提供している会社は他にもあるのでしょうか?

「調査会社や研修会社など、それぞれの分野にはライバルがたくさんいます。ただ、それらをトータルで提供し、組合に特化しているとはっきりと謳って展開している会社は他にないと思います」

オフィス全景

いい組合から、いい会社へ。
日本の職業観や社会を変える可能性も

社員にはどのような人材を求めているのでしょうか?

「コンサルティングというと、地頭力とか論理的思考が必要というイメージがあるかもしれませんが、弊社の場合はそれ以上に、共感力やコミュニケーション能力が求められます。人と話すことが好きで、人のために貢献することが好きな人が向いているでしょうね」

佐々木さんインタビューショット

もともと労働組合活動が、誰かをひとりにせず、みんなで連帯感を持って行動していく、その中で職場をよりよくしていこうという活動。そこに共感し前向きに取り組む人が求められると言います。

「他者のために何かをしたいという意識が強い、熱い組合役員たちの感情を揺さぶる提案をするには、本当に人を幸せにしたいという気持ちが提案に込められていることが大切。そうでないと組合は動かないし、従業員に届く活動にもならないと思います」

「いい会社では、いい組合活動をやっているし、いい組合活動ができれば、会社も自然とよくなっていくと考えています」と佐々木さん。だとすれば、j.unionが果たす役割も大きいですね。

「私たちの支援は直接的ではないけれど、組合活動を通して、企業で働く人たちに影響を与えることができる。時間はかかるけれど、それが可能な会社です。それは、日本の職業観や日本の社会を変える可能性も秘めているということ。規模は小さくても、そういう会社だと自負しています」

そんなj.unionで働くうえで重要なのは「好奇心を持ち続けること」と佐々木さんは言います。

「働き方や日本の雇用関係は未来に向けてどんどん変わってくると思います。そうした最新情報への興味や関心をもち、新しいことにチャレンジする醍醐味を感じ続けてほしいですね」

機関紙などの広報ツール

労働組合の運動方針に沿って
一緒にできることは何なのかをを考える

次に、コンサルティング営業として働く川畑智大(ともひろ)さんに話を伺いました。

川畑智大(ともひろ)さん

前職は、市のシルバー人材センターに勤務していた川畑さん。2018年9月にj.unionに転職したきっかけは、もう少し広い形で働く人に対して何かしたいと思ったこと。そんなとき、たまたま求人サイトで見つけたのが、j.unionだったとか。

「直接的ではないにせよ、働く人への支援につながる仕事というところがおもしろいと思ったんです」

前の職場には労働組合がなく、組合の意義や活動について具体的なイメージがないまま入社した川畑さんですが、1カ月の研修やOJTを通して少しずつ理解していったとのこと。特に、労働組合の役員から直に話を聞くことで、深く納得することができたと言います。

クライアントに自社サービスを説明

1年が経った現在は、都内の労働組合を中心に100件ほどの担当先を持っています。大企業から中小企業まで、業種、業態もさまざまだとか。

「労働組合は期ごとに運動方針を決めて活動しています。私たちは、その活動目的や現在の課題などを詳しく伺い、弊社ができることをご提案していきます。課題を洗い出すための調査を提案する場合もあれば、まずは運動方針から一緒に作っていくという場合もあります」

多くの労働組合の期のスタートは9月からだとか。その前の4~6月あたりが、予算を立てたり運動方針を決めたりと一番重要な時期です。川畑さんたちも集中して訪問し、話し合いを重ねると言います。

「特に最初の頃は組合の背景についても知識が浅く、聞き取り方、伝え方のスキルも未熟でした。経験の少ない自分が単に正論を語っても説得力がなくて、『そんなのはわかってるよ』と言われるだけ。だから、『できることを一緒にやっていきたい』というスタンスを前面に出してアプローチするように心がけました。すると、うまくいくケースが多かったですね」

わからないことがあると、社内のいろいろな人に聞いて回ったとか。

「自分なりの案を考えたうえで先輩に聞きに行くんですが、自分では思いつかなかった選択肢が出てくる。そのたびに、なるほどなと納得しました」

先輩社員に相談

90人を対象にした研修の講師も体験。
「受講して良かった」の言葉に手応えも

「この一年は本当に濃かった」と語る川畑さん。中でも特に印象に残っているのは、ある製造業の労働組合の支部で行った研修だとか。

講師としてホワイト・ボードミーティングを紹介

「その組合の課題は、労使懇談会の前に組合役員が各職場で集会を開くと、ここが悪い、あそこが悪いと愚痴を言うだけで終わるケースが多いということでした。もっと自分たちでできること、会社がやるべきところをしっかり整理して、問題解決の合意形成ができるようにしたいと要望がありました。そこでホワイトボード・ミーティングという手法を、集会をリードする組合役員の方たちに学んでもらうことになったんです。その研修を私が行うことになり、カリキュラムづくりから一緒に行いました」

90名ほどの受講者に、前半はホワイトボード・ミーティングについての講義、後半はワークショップの形でミーティングを体験してもらったと言います。

「受講者アンケートには『可視化することで、今までにない課題が出てきた』など、『受講して良かった』という意見が多く、ほっとしています。準備にも苦労したし、緊張しましたが、伝わるように工夫することのおもしろさを実感し、やって良かったと思います」

クライアントに電話

アンケートには「役員だけでなく、組合員にも学んでほしい」という意見もあったとか。仕事の手応えを感じる瞬間は、そうした「次につながったとき」だと言います。

「この仕事は、成果がすぐに形になって見えるわけではありません。こちらの提案を実行していただき、さらにその活動を継続していただく。あるいは新たな展開につなげていく。そこが成果として重要なところだと思っています」

ところでj.unionには、研修のほかに調査や広報ツールの制作、システムソリューションなど、多彩なサービスメニューがありますよね。社員にとってみれば覚えることがたくさんあり、大変なのではありませんか?

「正直大変です(笑)。私は研修や調査に携わることが多く、広報ツールのデザインなどには苦手意識があります。でも社内にはそれぞれの分野に強い人がいて、お互いに補うことで力を発揮しています」

制作を担当する社員と打ち合わせ

労働組合の課題は刻々と変わっていく。
だから常に勉強と情報収集が欠かせない

「この会社に入社して、勉強の大切さをつくづく実感するようになりました」と語る川畑さん。
というのも、テクノロジーの変化、グローバル化などさまざまな要因で、働き方もどんどん変化し、労働組合における課題が年々変わるからだとか。
話題にもなった「働き方改革」というテーマも、すでに次の段階に進んでいると言います。新しい課題に対して、常に自分たちが一歩先を行くために勉強していく必要があるわけですね。

「働き方に関する時事ネタを新聞で拾ったり、本を読んで勉強するのはもちろんですが、実はお客様から学ぶのが一番早いと思っています。現場の意見が最新というか、最も説得力のある情報。どんどん先進的な活動に取り組んでいるところもあるし、いろいろな組合活動に触れることはとても勉強になります。自然と、そうした情報を積極的に取りに行く姿勢が身についてきたように感じています」

資料を確認

川畑さんにとって、この仕事のやりがいはどんなことでしょうか?

「企業という組織の中で、現場の力というのはとても重要だと思っています。職場の改善をはじめ、現場の人たちが自ら動くことで変わることもあるはず。私たちの仕事は、現場の人たちが一歩踏み出し、力を発揮できるよう支援していくこと。とてもやりがいを感じます」

クライアント先に向かう

最後に今後の目標について、次のように話してくれました。

「もっと組合執行部の人たちと信頼関係を築き、より密なコンサルティングができるようになりたい。それには、まだまだ知識も経験も足りません。でも、そうやって多くの人を動かせる営業になりたい。挑戦しがいがあると思います」

裏方のイメージがあった労働組合ですが、その活動を通して人や職場を明るくし、会社や社会を変える力があるのだと気づかされました。それをサポートするj.unionの社員たちのプロ意識がとても頼もしく感じられた取材でした。

※内容は2019年11月に取材したものです。

笑顔の川畑さん