やっぱり手に職!古文書・資料の媒体変換に取り組む
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歴史を後世に残すマイクロフィルム
1962年創業のプロ集団とは?
皆さんは「マイクロフィルム」と聞いてどんなイメージを持ちますか? スパイ映画に出てくるような、超小型のフィルムを思い浮かべる人もいるかもしれません。マイクロフィルムは、資料となる書類や図版を撮影し、写真フィルムとして保存するためのもの。200年近い歴史があり、資料保存の代表的な方法でした。
「でも、デジタル全盛の今、データで保存すればいいんじゃないの?」
そんな声も聞こえてきそうですが、実は磁気メディアや光メディアなどで保存すると、規格が変更されたときに閲覧することが難しくなる場合があります。たとえば、今フロッピーディスクに残したデータを見ようとすると、再生できるハードウェアを用意しなければならず、きっと苦労しますよね。また「CD-ROMに写真データを保存したけれど、開こうとしたらうまく読み取ってくれなかった」といった経験がある人もいるのではないでしょうか。
一方でマイクロフィルムは閲覧するためのリーダーは一般的ではありませんが、フィルムの耐久性が高く、信頼できる記録メディアとして改めて脚光を浴びています。デジタルで保存したデータを再度フィルムとして保存するといった流れも生まれているのです。
今回お伺いした株式会社国際マイクロ写真工業社は、そんなマイクロフィルムでの記録資料の保存からスタートした会社です。創業は1962年と歴史があり、業界の草分け的存在といえます。
実は宮内庁御用達の企業
情報の保存、維持管理に貢献
国際マイクロ写真工業社の本社があるのは、都営大江戸線の牛込神楽坂駅の近く。駅から徒歩1分という好立地、しかも神楽坂駅や飯田橋駅も徒歩圏内にあり、通勤には便利そうです。
まずは、入社12年目の伊藤秀美さん(仮名)に、会社のことを詳しく伺いました。
一般にはあまり馴染みのない、マイクロフィルムでの資料の保存ですが、現在でも利用する企業や官公庁は多いそうです。また同時にデジタルデータでの保存も右肩上がりで増えているそうです。
「当社はマイクロフィルムの情報保存を、50年以上前から行ってきました。長くかかわってるお客さまも少なくありません。その一つが宮内庁様で、厳しい技術審査があるのですが、当社はそれをパスして宮内庁様の史料を扱わせていただける2社のうちの1社となっています」
宮内庁様だけでなく、多くの官公庁や有名大学などとも取引があり、日本のアーカイブ機関の中枢に関わって業務を行っている、数少ない会社といえます。そうしたお客さまから選ばれるのには、さまざまな理由があります。
その理由のひとつに、品質が挙げられます。データの保存にも、品質があるのです。
「たとえばマイクロフィルムの長期保存には、材料と環境と処理が重要になります。材料はフィルムメーカーのものになりますが、環境に関しては温度や湿度を徹底管理すること。また処理に関しては、撮影後に正しい洗浄と乾燥を行うこと。こうしたていねいな処理を行うことで、フィルムをより長期にわたって保存できるという工夫をしています」
また、撮影などに関する多くの技術開発に取り組んでいる点も選ばれる理由の一つ。
「先ほどのマイクロフィルムの長期保存のため、当社独自の大型現像機を開発し、高いレベルの処理ができるようにしています。また書籍のデータを保存する場合は本を180度に開いた状態でスキャンするのですが、全ページをスキャンしようとすると、背表紙を傷めることにもなりかねません。そこで社外の研究機関と協力し、書籍を30度開いただけでスキャンできる技術を開発しました」
こうしたさまざまな技術開発はもちろん、設備投資も積極的に行ってきたことで、社内にはさまざまな器材が揃っています。こうした姿勢が評価され、多くのお客さまに支持される、業界をリードする企業となったのでしょう。
業界をリードする会社であるというエピソードを、伊藤さんが語ってくれました。
「この業界にはさまざまな会社がありますが、当社はその中でも特に歴史がある会社の一つなんですね。歴史があるだけでなく、情報保存に関する多くの技術を開発してきたこともあり、同業他社から技術に関する問い合わせを受けることも多いんです。またマイクロフィルムを保存する場合、巻取リールと呼ばれる機具が必要になるのですが、国内には高品質・低価格な製品はありませんでした。『だったら作ってしまおう』ということで、現在は当社がオリジナル製品を製造し、同業他社にも販売しています。こうしたオリジナル製品が、数多くあるんですよ」
蓄積してきた技術を生かし、
さまざまな分野ともコラボレーション
ちなみに、伊藤さんは写真が好きだったことから国際マイクロ写真工業社に興味を持ったそうですが、入社を希望する人は歴史が好きな人や、写真が好きな人が多いそうです。
「当社は撮影はたくさん行いますが、それは複写ということなので、カメラマンになりたいというような方のやりがいにはつながらないかもしれません。ただ、撮影好きは多く、休日はカメラ片手に出掛けるという社員の話はよく聞きます」
そんな伊藤さんに、この業界の今後についても伺いました。
「確かにマイクロフィルムって将来性はあるのかな?という話は入社を希望される方からよく聞きます。実際に、マイクロフィルムのニーズがこれから急拡大するということはあまりないだろうと思っています。ただ、マイクロフィルムのニーズは常に一定数あり、同時にそれらの保存維持活動も行っていく必要があります。そういう意味で当社が果たさなければならない役割は今後もあると思います。またマイクロフィルム以外のデジタルアーカイブに関しても取り組んでいますが、5年ほど前には国立国会図書館にて大量電子化が始まるなど、デジタルアーカイブ化業務は今後も増えていくと思われます」
そういう意味では、人材が必要ということですね。
「そうですね、書籍などをスキャンしていくというと、地道な作業と思われるかもしれません。確かにそういう側面もありますが、一方でさまざまな展示会で多くの方と出会い、新たな技術を開発するといった側面もあります。そこで知り合った企業の方と、赤外線スキャナーでお札(ふだ)などの、消えてしまった文字を読み取るといったサービスも行っています。そうやって社員一人ひとりが身につけた技術を生かした活動を行っているのも、当社のもう一つの姿です。自分で自主的に動いて楽しみを見つけていける人であれば、当社は大変面白くやりがいのある場所になるのではないでしょうか」
歴史のある国際マイクロ写真工業社ですが、社員の半数以上は20代、30代で構成されており、U29世代でもすぐに馴染めそうな雰囲気です。
「30代より上というと、いきなり50代以上になってしまうんですね。彼らが長い間培ってきた技術を受け継ぐ人に、来てもらいたいですね」
意外な形で、歴史に関わる仕事
新入社員が語る、仕事のやりがい
国際マイクロ写真工業社に入社すると、どんな毎日が待っているのでしょうか。
菅井さんは入社してから1年が経っていない、営業部に所属する新入社員です。どのような経緯で、国際マイクロ写真工業社を選んだのでしょうか。
「大学院で歴史学を専攻していました。また在学中は、ボランティアで東北地方に残る資料の保全活動に取り組んできました。当時は大学院を修了したら学芸員や教員、研究者などになるのかなぁと漠然と思っていました。でも東日本大震災を経験し、自分が保存した古文書のデータが非常に意義のあるものだと気付いたのですね。そんなとき、全国の博物館に関するサイトで当社の募集を知り、こういう風に歴史に携わることもできるのかと気付き、入社を決意しました」
入社後に、自分が学生時代に閲覧していたデータも、国際マイクロ写真工業社が手がけていたことを知ったという菅井さん。この仕事の重要性を再認識したそうです。
現在は営業部に所属とのことですが、どんな仕事をしているのですか。
「主に都内の大学や研究機関、官公庁にお伺いし、資料などの保存や媒体変換といったことを行っています。歴史が好きなので、なかなか目にすることのできない資料に触れられることは非常に楽しいですね。ただ、撮影やスキャン、保存などに関する専門的な質問をされると、まだまだきちんとお答えすることができず、勉強中という感じです」
お客さまの大切な資料をお預かりするため、移動にもセキュリティを完備した車を利用します。ちなみに車だけでなく、会社全体のセキュリティも最先端のものを整えており、こうしたこともお客さまからの信頼につながっているそうです。
営業としてはまだ勉強中の菅井さんにとって、やりがいとはどのようなものでしょうか。
「会社って、チームで仕事に取り組み、決められた業務を行うのだと思っていたんですが、入社早々、全国の古文書保全に取り組んでいる社長から、その仕事を手伝ってほしいと言われました。それも、君なりのアイデアを提案してほしいということだったんですね。それで大学の先生にも意見をいただいて提案書を作成したんです。このように、自分の経験を生かして、自分なりに仕事を広げられるのが、この会社のいいところだと思いますね」
学生時代には想いもしなかった場所で、やりたかった仕事に関わることのできた菅井さん。将来の目標はなんでしょうか?
「今は媒体変換を中心に行っていますが、資料を取り扱うプロとして知識を深め、日本のアーカイブ化に貢献していきたいと思っています。そうやって、学生時代に出会った研究者の方々を支え、ある面では提案も行えるようになりたいですね」
ちなみに、入社してみて会社の雰囲気はどうでしょうか。
「大きな企業だと派閥があるのかもしれませんが、そういうのはないですね。また秋から冬は忙しいですが、普段は6時には仕事を終えて退社することが奨励されています。働きやすい環境だと思いますよ」
常に新しいことに取り組むからこそ
未来に続く伝統が培われる
文献や書籍を撮影・スキャンを行い、保存などを行う生産部。そこに所属する北村さんにもお話を伺いました。
北村さんは入社3年目で、中途採用とのこと。
「大学で日本文学や日本文化を学んでいて、就職活動ではそうした知識を生かせる仕事に魅力を感じていました」
ただ、なかなかそうした仕事は見つからず、一般企業へ就職。
「でもやっぱり、日本文化に関わる仕事がしたいという想いがふつふつと…。そんなときにこの会社の募集を見たんです」
学生時代の研究ではマイクロフィルムに触れていた北村さん。そうした仕事があることを知って、転職を決意します。
「実際に会社を訪れてみると、想像していたよりも重要な仕事に携わっていて。そこが入社を決めた一番の理由ですね」
入社から現在まで、生産部でフィルムスキャンなどを担当してきた北村さん。何よりも気を遣うのは、資料を破損させないことなのだそうです。
「フィルムをデジタル画像へとスキャンする場合、保存状態によってはフィルム自体が劣化していることもあります。そうしたフィルムを扱う場合は、かなり気を遣いますね」
また、一般的な仕事であれば少しペースを上げて時間短縮に努めるといったこともできますが、機械が相手のスキャンの場合はそうもいきません。そこで、スキャナーを複数台並べて効率を上げるなど、独自の工夫を行っているそうです。そしてやりがいとしては、文化的なものに触れられることだと語る北村さん。
「国宝級のものなど、普通であれば触れることもないようなものにも触れる機会があります」
やはり、歴史好きにはたまらない仕事のようです。
「また、現在は生産部の業務だけでなく、クライアントによっては営業担当として、打ち合わせに行くこともあります。当初は私が伺っても具体的なことは営業部長に話すからと言っていたお客さまでしたが、最近はいろいろな質問を私にしてくださるようになってきました。徐々に信頼を得ているという実感があります」
そんな生産部門に向いているのは、どのような人材なのでしょうか。
「私が思うのは、視野の広い人ですね。この仕事は細かな業務や繰り返し行う業務も多いのですが、一つひとつの業務を単体で捉えるのではなく、俯瞰して全体を見られることが大事だと思います。また、自分が関わっている部分だけでなく、業務全体や資料に対するお客様の思いなどを理解していることも重要ですね」
マイクロフィルムというと、過去の技術のような印象を受けるかもしれませんが、実は情報管理の分野では現在でも大変重要な役割を担っています。国際マイクロ写真工業社は宮内庁御用達として長年大切な情報を扱うなど、この分野をリードする存在。そしてその実績は、伝統によるものだけでなく、常に社員一人ひとりが新しいことに取り組んできた技術革新によるものです。何か新しいことに取り組みたいと思っている人にこそ、国際マイクロ写真工業社は向いているのかもしれません。
募集要項 | |
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社名 | 株式会社国際マイクロ写真工業社 |
住所 | 東京都新宿区箪笥町(タンスマチ)4-3 |
募集職種 | (1)生産部 (2)営業部 (3)総務部(総務・経理ほか) |
採用対象 | 新卒/中途・既卒/女性 |
雇用形態 | 正社員 |
給与 | 月給 225,160円〜+交通費 ・基本給:160,944円 ・能率手当:64,216円 (能率手当は時間外労働の有無に関わらず53時間相当分を支給します。超過分は別途支給いたします) ・交通費 【研修・試用期間あり】 試用期間3〜6カ月 ※スキル・経験に応じて変更あり 時給1,000円(研修中は交通費上限あり) |
福利厚生 | ・昇給/年1回(昇減給制度あり) ・賞与/年2回(0~180万までの実例あり) 成果、能力に応じ、別途決算賞与あり ・各種社会保険加入 ・産休、育休 ・資格取得した際の補助金制度あり ・各種セミナー参加費補助あり |
仕事内容 | (1)生産部 貴重書・文化財の資料デジタルアーカイブ、閲覧ビューワーソフト、システムの開発、マイクロフィルム撮影・デジタルカメラ撮影、画像編集ソフトを使用したデジタル・web全般業務、業務管理、企画提案、研究開発。 (2)営業部 お客様との打合せ、ご提案、情報提供、情報収集、受注業務。資料の借用や返却。各種資料原本の保存と活用に関する用品の販売。新規研究開発、輸入など。長期保存と活用に関するアドバイス。 (3)総務部(総務・経理ほか) 会計入力、資材商品・完成品の梱包と発送、見積・請求書等の発送、会計データ分析、総務人事業務サポート、営業事務サポートなど |
勤務地 | 本社に同じ |
勤務時間 | 9:00~18:00(休憩時間11:50~12:50、15:00~15:15) |
休日休暇 | ・週休2日(土・日) ※但し、第三土曜日のみ出社 (木こりが斧を砥ぐ日:日頃できない研究・開発・メンテナンス・勉強などをおこなう日) ・祝日 ・夏季休暇 ・年末年始休暇 ・有給休暇(入社後6カ月経過より) ・慶弔休暇 |
応募資格 | ・未経験歓迎 ・学歴不問 ・基本的なPCスキル(Excel・Word・PowerPointなど) ・普通自動車免許(既に取得が希望。取得予定者は相談応) |
求める人材像 | ・歴史好き、カメラ好き、PC好き 集まれ! ・挨拶ができる(人より先に元気よく) ・ポジティブで行動力がある ・支店長になりたい!など ・新しい物を作りたい、提案したい!などサービス精神旺盛で研究開発が好きなひとも |
採用予定人数 | 数名 |
選考プロセス | ①当社HPをご覧の上、履歴書を郵送ください。(連絡が取れるメールアドレス必須) http://www.kmsym.com ↓ ②書類選考(選考通過の場合③へ) ↓ ③一次面接(適正テスト、筆記試験などあり) ↓ ④二次面接 ↓ ⑤採用(試用期間研修3~6カ月あり) ・通知に関しては基本メールにてご連絡いたします。 ・選考プロセスは変更になることもあります。 ・取得した個人情報は、採用選考のみ使用いたします。 |
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