新宿発 2040年ワークショップ 潜入レポート

2040年を想定し、新宿発の新しいビジネスアイデアを考える

2018年8月31日(金)、新宿区はマイナビが運営するコミュニティ「MY FUTURE CAMPUS」と連携し、「新宿発 2040年ワークショップ」を開催しました。

今から約20年先の2040年は、どんな社会になっているのかを考えていくこのワークショップ。参加者である大学1、2年生は新宿区内の企業5社と一緒に、各社がもつ技術やサービスを活用してどんな社会貢献ができるのかをディスカッションし、最終的にプレゼンテーションを行います。

企業の説明を聞きつつ、学生同士でワークショップに挑戦

ワークショップの冒頭で、司会進行役の方から「今回のワークショップを、皆さんの『考えるチカラ』を養い、磨く場にしてもらえたらと思っています」というお話がありました。
社会では学校での勉強とは異なり、答えの出ないことが非常に多くあります。その中で、自分なりの意見や考えを持つことが、社会人には求められます。ワークショップに参加するのは今回が初めて、という参加者が多い今回の企画。最後に「臆せず意見を言って、新宿発の発明を皆で考えてください」と、参加した学生に向けてエールが送られました。

そしていよいよワークショップが始まります。学生たちはあらかじめ決められた企業でのワークショップに参加。1回のワークショップは約30分間行われ、最後に学生によるプレゼンテーションが行われます。ワークショップを行った企業以外で興味のある企業があれば、ワークショップ後の座談会で直接質問をすることも可能です。

今回参加した学生は約20名。1社に4名程度の学生が参加することになり、ワークショップとしては理想的な人数配分となっています。各テーブルではまず、企業担当者が自社の業務内容や業界について、学生に向けて説明を行います。この説明について、熱心にメモを取る学生たち。どの業界にもこれからの時代に向けての課題があり、その一方でどの会社にも伸びる要素があります。

1954年創業の「関東石油」は、これまでガソリンスタンド事業を中心に行ってきた会社。しかしエネルギー業界は、いま大きな転換期を迎えています。これからの50年を洗車や自動車整備に力を入れることで、どのように事業を展開していけばいいのかが話し合われました。

日立系の専門商社である「協立機電工業」のテーブルでは、総合商社と専門商社の違いといった広いテーマからスタート。日立が多くの家電事業から撤退したことで、学生たちに「HITACHI」ブランドがそれほど浸透していないことに、企業担当者も驚いた様子でした。

分析機器の製造・販売を行っている「マウンテック」では、自社製品が取り組む大気汚染の改善をテーマに話し合いを行いました。

「アールシーソリューション」は、自社で防災アプリを開発していることもあり、防災という考え方を世界共通にするにはといったテーマで意見を交わしました。

「カモメツーリスト」では、近年注目を集めるインバウンドをテーマにワークショップを展開。学生にとっても取り組みやすいテーマであり、多くの意見が出されました。

終了時間が近づいてくると、学生たちは与えられたテーマから導き出したキーワードなどを付箋に書き、メンバー同士で議論をしながら提案内容をまとめていきます。そしてまとめた内容を模造紙に書いていき、学生自身で企業担当者に向けてプレゼンテーション。その学生らしい発想に、プレゼンテーションが終了したテーブルからは拍手が聞こえてきました。
こうしたワークショップを学生たちは2回体験。どのテーブルも2回目のほうが学生のプレゼンテーションもスムーズに行われ、今回のワークショップの中でも学生たちの成長が感じられました。

「まずは大手」ではなく、なぜその会社を選ぶのかを明確にすることが重要

ワークショップ終了後には、学生が興味を持った企業の話を聞く座談会の時間も設けられました。20分間の座談会が2回行われましたが、ワークショップに参加して興味を持った企業に突っ込んだ話を聞きに行く学生もいれば、参加できなかった企業のテーブルに着く学生など、学生の企業選びもさまざま。
「IT業界に興味があるのですが、文系の学部出身では難しいでしょうか?」といった就職に関する具体的な質問もあれば、企業担当者に入社動機を尋ねるといった様子も見られました。

こうして、この日のワークショップのプログラムはすべて終了。閉会のあいさつでは、司会進行役の方から全体的なまとめがありました。
「今回のワークショップを楽しんだという方が多かったようですが、プレゼンテーションなどでは上手くできなかったと感じている人もいるかもしれません。ただ、私たち大人も全員がプレゼンテーションが上手いというわけでもないんですね。大学1年生、2年生という早い時期にプレゼンテーションを経験して自分なりの課題を見つけられたということは、次に生きてくるのではないでしょうか」

また、就職先を選ぶことについても次のようなメッセージを送りました。
「今回参加していただいたのは、中小企業に属する会社ばかりです。就職先を選ぶ際に有名な企業や大企業を選ぶこと自体は決して悪いわけではありません。ただ、『何故その会社なの?』と聞かれた際に明確に答えられないと、就職活動も苦しいだろうし、マッチングが上手くいかず入社後に辞めてしまうことになるかもしれない。皆さんはまだ時間があるわけですから、いろんな機会を大切にしながら、何が自分に合っているのかをぜひ考えてほしいと思っています」

実際に入社3年以内の離職率が3割を越える状況が続いている中、学生一人ひとりの会社選びは非常に重要です。
「これからは『大きな会社』よりも『強い会社』がいいと個人的には思うし、何より学生時代に『こんな仕事をしたい』を明確にしたほうが、社会人生活を楽しめると思う」というメッセージを、学生たちは真剣な表情で聞いていました。

社会に出るまでにまだ2、3年間ある今回の学生たち。これからの学生生活の中で徐々にやりたいことを見つけ、志望する業界や企業を決めていくに違いありません。この日のワークショップは、そのための第一歩となり、いいヒントを見つけたのではないでしょうか。
この日参加した学生たちが数年後に自分らしい選択をして、納得のいく進路へと進むことを願っています。