新宿イノベーションワークショップに潜入取材!

企業の技術力を活かし、新宿区が抱える社会問題を解決する

2019年8月23日(金)、新宿区はマイナビが運営するコミュニティ「MY FUTURE CAMPUS」と連携し、「新宿イノベーションワークショップ」を開催しました。

「新宿イノベーションワークショップ」は、大都市災害や大気汚染、ごみ問題、外国人観光客対応、街づくりなど、新宿区が抱えるさまざまな社会問題を解決する方法を探る、体験型のワークショップ。参加者である大学生が、新宿区内の中小企業5社と一緒に、各企業が持つ技術を活用してどんなイノベーションを起こせるかをディスカッションし、最終的にプレゼンテーションを行います。

まずは、司会進行役のスタッフから、ワークショップについての説明が行われました。
「今回のワークショップの目的は、みなさんの『考える力』を試す・磨くこと。そして『考える力』のコツをつかむこと。自分で考えるだけでなく、他の人と共有する・発信することを意識して欲しい」というお話がありました。
また「この経験から、ぜひ『何か』を持ち帰って欲しい」という言葉に、学生も熱心に聞き入っていました。

企業と学生がタッグを組み課題解決に挑むワークショップ

学生は2〜3名のグループに分かれ、あらかじめ決められた企業のテーブルに移動。グループごとにワークショップを行います。ディスカッションと発表で、約1時間30分。グループと企業を変えてワークを2回行うため、違うテーマで2回のグループワークを体験できる、中身の濃い内容となっています。

グループワークの最初には、各企業担当者が自社の業務内容や技術・サービスについての説明を行います。それをふまえ、各企業が持っている技術力やサービスを活用し、新宿区が抱えている社会問題を解決する方法をディスカッションしていきます。

ディスカッションでは、まず新宿区の問題を資料で確認。企業の技術やサービスが、どういった問題の解決に役立つのかを考えていきます。ここで大切なことは、問題を表面的に見るだけでなく、その問題が起きている原因を探っていくこと。学生たちは、自分自身の体験や大学で学んできたことをもとに意見を交わし、グループとしての意見をまとめていきます。

課題とその原因、解決の方向性が見えてきたら、具体的なアイデアを模造紙にまとめ、全員の前でプレゼンテーション。プレゼンテーションで発表される、学生らしいユニークなアイデアや新しい感覚の提案に、参加者全員が熱心に聞き入り、発表が終わるたびに大きな拍手が送られました。

テーマも切り口も多種多様。
オリジナリティあふれるアイデアの数々

このワークショップでは、どんなアイデアが提案されたのでしょうか。
プレゼンテーションの内容を見てみましょう。

「アールシーソリューション株式会社」は、ITを使って防災情報を配信している会社。緊急地震速報アプリの定番「ゆれくるコール」などの開発を行っています。
1回目のワークでは「災害時の混乱を防ぐ」ことをテーマに、新宿区にある大型ビジョンやスピーカーを使い、正確な情報をより多くの人々に伝えるためのアイデアが提案されました。
2回目のワークでは「熱中症を減らす」をテーマに、2020年のスポーツイベントで熱中症を防ぐ方法を提案。アプリを使った通知やスタンプラリー形式の水分補給など、ユニークなアイデアが生まれました。

「協立機電工業株式会社」は、日立グループ各社の特約店として、機械設備や機械部品・電子部品などを扱う商社。環境に配慮した、省エネ技術の開発にも積極的に取り組んでいます。
1回目のワークでは「ヒートアイランド現象」をテーマに、断熱効果の高い素材を活用しつつ、省エネやエコへの意識を高める提案を行いました。
2回目のワークのテーマは「協立×新宿区エコプログラム」。区の公共施設に協立機電工業の最新技術を導入することで、省エネへの意識を高め、区のイメージアップにつなげるという実現性の高い提案が行われました。

「株式会社国際マイクロ写真工業社」は、古文書や美術品、歴史資料などの情報の保存と活用を行っている会社。クライアントは官公庁や美術館・博物館、大学など多岐にわたります。
1回目のワークでは「保育士の人材不足」を解決するため、保育士の仕事の魅力を伝える動画を発信するというアイデアが発表されました。
2回目のワークでは「日本の魅力を新宿に詰め込む」ことをテーマに、記録と発信というリソースを活かして、外国人観光客が新宿に来るだけで日本の魅力が感じられる展示を行うというアイデアが提案されました。

「株式会社マウンテック」は、物質のナノレベルの計測や解析機器の分野で業界をリードしている会社。その技術は食品や医薬品、精密機器の製造など、幅広い分野で活用されています。
1回目のワークでは「空気清浄化」をテーマに、粒子を分析する技術を活かし、有害物質を分析。新しい空気清浄機の開発につなげていくというアイデアが提案されました。
2回目のワークは「より美味しく健康に」がテーマ。物質を粉砕する技術を使い、栄養価のある食品を既存の食品に取り入れることで、栄養不足を解決し、商品価値を向上させるというアイデアが提案されました。

「松下産業株式会社」は、石材の調達から加工・販売・施工までを一貫して行う、石材の総合プロデュース企業。学生が特に注目したのは、石を特殊な技術でシート状にしたものでした。
1回目のワークでは「ゴミのない新宿」をテーマに「石コップ」を提案。ファストフードなどの紙コップに軽くて加工しやすい石のシートを使うことで高級感をプラスし、ポイ捨てされないコップをつくることが提案されました。
2回目のワークでは「ストレスフリーな新宿」をテーマに、石を使った癒やしスポットを提案。石の持つ高級感や質感を活かした足湯など、ユニークなアイデアが生まれました。

人との関わりや経験を通して、
自分の価値観を見つめ直して欲しい

プレゼンテーションが終わった後は、各企業からの講評が行われました。
「私たちには考えられないアイデアがたくさんあった」「面白い発想があり、実現できたらいいと思う」「できる・できないではなく、自由に発想を展開してくれたことに感動した」など、柔軟な発想に刺激を受けたという意見が多くあがりました。

これで、この日のワークショップのプログラムは終了。最後に司会進行役のスタッフから、今日のまとめと、今後の過ごし方についてのアドバイスがありました。

「今日できたこと・できなかったことを、しっかり振り返って欲しいと思っています。大学でもグループワークをすることはあると思いますが、他の大学の学生や『大人』とグループワークを行うことは、少ないのではないでしょうか。今後も、いろいろな人と話す・ディスカッションをする、ということを繰り返して欲しいと思っています」

今回参加したのは、大学1年生から3年生の学生たち。今まで知らなかった企業と出会い、社会人と一緒にグループワークを行ったことで、自分の価値観がゆさぶられた人もいたと思います。
このワークショップでの体験をふまえ、さらにいろいろな経験をしながら、自分の価値観を見つめ直していくことが、今後の就職活動にも活きてくるのではないでしょうか。